2011年12月06日

インフルエンザワクチン(予防注射) Q and A

生野区の杉本医院の医療コラムです。

生野区の杉本医院では今シーズンもインフルエンザ予防接種を行っています。
 
インフルエンザ予防接種にあたってお問い合わせの多かった事項についてまとめてみました。ご参考ください。

1)接種年齢
2)接種方法
3)妊娠中の接種
4)授乳中の接種
5)他のワクチンとの間隔
6)卵アレルギーとの関係

1)接種は何歳から?
  
  生後6ヶ月未満の場合はワクチンの効果や副反応が
  はっきりしていないこと、
  母親からの免疫が期待できる事を考えて接種しません。
 
  ワクチンの効果が確認されているのは1歳以上ですので
  当院ではインフルエンザワクチン接種は原則1歳以上
  としています。

2)接種方法は? 
  
  3歳未満は0.25ml、3歳以上は0.5mlを
  皮下注射します。

  13歳未満は2回、13歳以上は1回又は2回、
  1~4週の間隔で接種します。

3)妊娠中に接種してもよいのか?
  
  妊娠14週以降であればお勧めしています。
  現在のインフルエンザワクチンは不活化ワクチンという
  病原性をなくしたウイルスの成分を用いたもので、
  接種してもインフルエンザに罹患するわけではありません
  し、胎児に異常が発生する危険が大きくなるという報告も
  ありません。

  それに対して、妊娠中にインフルエンザを発症すると
  治療薬も制限される上、
  重症化しやすくなるとされています。

  したがって妊娠中でもインフルエンザワクチンを接種し、
  重症化を予防するほうがよいと考えられますが、
  妊娠初期には自然流産が起こりやすいので
 (インフルエンザワクチンとは関係ありません)
  その時期は避けたほうがよいとされ、欧米では
  妊娠14週以降のインフルエンザワクチン接種を
  推奨しています。

4)授乳中に接種してもよいのか?   

  特に問題はありません。

  妊婦の項で述べましたようにインフルエンザワクチンを
  接種してもウイルスが体内に入るわけではありませんし、
  母乳を通じて子供に移行することもありません。
  ですから授乳中であっても
インフルエンザワクチンは接種できます。
  
  ただし、お母さんがインフルエンザ予防接種をうけても、
  授乳中の子供に予防効果が及ぶ事を期待する事はできませ
  ん。
  
 5)他のワクチンとの間隔は?

  インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので、 
  ワクチン接種後6日以上間隔をおいて
  他のワクチンを接種できます。

6) 卵アレルギーがあっても接種できますか?

  多くの場合、大丈夫です。

  現行のインフルエンザワクチンはその製造過程に鶏卵を
  使うために、鶏卵由来成分がワクチンの中に残って、
  それによるアレルギー症状が起こることもありえます。
  しかし、近年は技術向上によってワクチンには
  鶏卵由来成分は極めて微量しか残っていませんので、
  軽い卵アレルギーはほとんど問題にはなりません。
  ただし、卵を食べてひどい蕁麻疹(じんましん)や
  発疹(ほっしん)を生じたり、口の中がしびれたりする方
  や、卵成分でアナフィラキシーショックを起こしたことが
  ある方は、ワクチン接種のメリット、デメリットを
  かかりつけの医師とよく相談して接種するかどうか決める
  ようお勧めします。

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