2012年05月17日

薬で高血圧になる?

薬で高血圧になる?

高血圧の患者さんは4000万人とも言われ、診察室や家庭での血圧の数値に一喜一憂している方も多いと思います。
血圧が上がる要素は様々です。
塩分過剰、ストレス、運動不足、肥満、年齢、遺伝・・・。

こうした原因の他に意外と知られていないことなのですが血圧を上げる(若しくは今飲んでいる降圧剤の働きを弱める)副作用を持つ薬を内服しているために血圧のコントロールが良くないケースがあることをご存知でしょうか?
そうした薬のなかでも多いのは解熱鎮痛剤とある種の漢方薬です。

解熱鎮痛薬は痛み物質であるプロスタグランジンという物質の産生を抑えて痛みを軽減するのですが、この物質には血圧を下げる作用もあるために解熱鎮痛剤でプロスタグランジンの産生を抑えると痛みは改善するが血圧も上がるというわけです。

漢方薬は生薬であるカンゾウという物質の主要成分であるグリチルリチンに水分、Na貯留の作用があるため、カンゾウを含む漢方薬には血圧が上がる可能性があるのです。

解熱鎮痛薬は整形外科で処方されることも多く、漢方薬は薬局でも入手できるので、患者さんが内科の医師に伝えずに内服を続けていることも多いようです。
いずれの薬も短期的に内服する場合(感冒など)にはあまり神経質になる必要はありませんが、腰痛などで長期にわたって連用している場合、高血圧の原因となることがあります。

最近血圧が上がってきた。
降圧薬の効き目が悪くなった。

という方はこうした薬を飲んでいませんか?
一度、主治医の先生にご相談下さい。

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